いすゞ117クーペ

このブログのいつものパターンで、ちょっと前の話。
ウチの事務所に頻繁に出入りしている馴染みのライターが
「ボク、今度117クーペ買おうと思ってるんですよ〜
三郷（八潮？）に良い車両があるから見に行くんですが、
もしよかったら一緒に現物を見に行きませんか〜」
と連絡してきた。
このライター、ここで迂闊に名前を出すと、色々な所に
差し障りが出る可能性があるので、仮にDとしておこう。
コイツがまたいかにもフリーの物書きらしく、
原稿の締めきりをブッチしてる時や、
待ち合わせに遅れる時などは全然連絡が取れないくせに、
手持ちの仕事がなくなって暇になると、なんやかやと連絡してくる。
温厚な性格の俺ですら「この野郎！」と思うこともシバシバなのだが、
こういういい加減な困ったちゃんに限って、面白い原稿が書けたり、
興味を引くネタを持ち込んでくるのもまたこの業界の常。で、
もう何年も腐れ縁が続いている。
今回の誘いも最初は正直、「面倒くさいなぁ〜」とも思ったのだが、
Dの知り合いの山根公利氏（有名メカデザイナーにしていすゞ車マニア）が
同行するという話を聞いて、一緒に行く事にした。
まあ「エンスー天国のネタになるかも？」とも考えたし。
で、見に行ったのがこのクルマ↓

詳しくないから自信はないけど、初期のハンドメイド・モデル、だと思う。
エンジンは1.8リッター・ツインキャブレターのSOHC。
ということは、70年11月以降に生産された車両になるのかな？
73年からは量産化モデルに切り替わるから、71年型か72年型かな。
シフトノブやステアリングはちゃんとウッドだよな。
ミッションは4速MT。

いすゞ117クーペは現在でもファンが多いクルマである。
一部には熱烈なマニアも存在する。むべなるかな。
若かりし頃のジウジアーロのデザインは素晴らしいし、いかにも
ハンドメイドらしい優美なボディラインは秀逸のひとこと。
まぁお世辞抜きで美人なクルマではあるよな。
それだけに、コンクールコンディションのフルオリジナル車両や、
ピカピカにレストアされた車両はそれなりの値段で取り引きされる。
とはいえ、箱スカやS30、ヨタハチやエスロクといったメジャーな
旧車たち（トヨタ2000GTはちょっと別格扱いかな？）と比較すると、
中古車市場における117クーペの相場はそれほど高くない。
感覚的には、ダルマセリカやてんとう虫と同じくらい？
（違ってたらゴメンなさいね）
ま、そんなこんなで、今回Dが見つけたこの車両も、
現状渡しなら大卒サラリーマンの初任給くらいで買えるらしい。
んー……、ま、確かにお買得っちゃお買得だわなぁ……

この117クーペ、値段の割には程度は良好。
一部に表面的なサビは出ているものの、フロアやトランクの中など、
117クーペの弱点と言われる？部分は全く腐食していない。
エンジンなんかは思いのほかキレイ。
欠損パーツもないし、下回りの状態も悪くない。
けど、……なんで？　なんか扱いがヒドい感じが…

近くにいたお店の人に話を聞いてみると、実はこのクルマ
お店の社長が自分で仕上げて乗ろうとした車両らしく、
エンジンは一度きちんと組み直してあるし、
外装も下地処理までは終わらせてあるとのこと。
ただしそれは大昔の話。
どういう事情があったのかまでは聞かなかったが、
現状まで仕上げてから20年もの間、
修理工場の隅っこでホコリを被らせていたのだとか…
なんで？

ま、でもベースとしては悪くない。
エンジンはオイルとかキャブとかの簡単な整備で問題なさそう。
タイヤとダンパーを新品に交換して、ブレーキを整備して、
車検取って、と、走らせるだけならその程度でOKじゃないかな？
機関系整備と車検でだいたい40万円くらいってとこかな？
塗装はもう一度サフを吹いてから整えてペイントするとして、
ま、安く上げるとしたら30万円くらいか。
（塗装は本気でやるなら100万円。凝り出すとキリがないからねぇ）
あと内装をキレイにするのに5〜10万円。
全部で80万円もかければソコソコいい感じに仕上がりそう。

けど、Dのヤツは既に69年型ジュリア（アルファロメオ1750GTV）と
77年型マスタング2という古い2ドアクーペを2台所有している。
端から見れば「それほど稼いでいるわけでもないのに、
似たようなキャラクターのクルマを3台集めてどうするよ？」
と思うんだけどなぁ…
でも、やっぱり買っちゃうんだなぁコイツが……
「オーバーローンが通れば」ってことらしいけどね。
楽しいよなぁ、こういうヤツが近所にいると(笑)
この117クーペ、もしかしたらまた登場するかも。


↓クリックお願いします〜

にほんブログ村