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フォルクスワーゲン・トゥアレグ(Volkswagen Touareg) ハイブリッド

重厚感のあるV6モデルに対して
ハイブリッドは色んな意味で軽快?

前回はスタンダードなV6についての感想を書いたので、
今回はフォルクスワーゲン初のハイブリッドモデルについて。

 >>フォルクスワーゲン・トゥアレグ 公式HP
フォルクスワーゲン・トゥアレグ(Volkswagen Touareg) ハイブリッド_a0046234_23525625.jpg

前々回の原稿に少し書いたのだが、
現行トゥアレグはV6とハイブリッドで車両本体価格が大きく違う。
いくらエンジンと4WDシステムが違うとはいえ、275万円はデカい。
最初にV6モデルに乗った際にとくに不満を感じなかっただけに、
(「Start/Stopシステム」についての不満は個人的な好みの問題)
「ハイブリッドってだけで何でそんなに価格が跳ね上がるの?」
という思いがあった。「そんなに違うもんかな?」と思っていたのだ。
フォルクスワーゲン・トゥアレグ(Volkswagen Touareg) ハイブリッド_a0046234_23594011.jpg

で、心の中にそんな疑問をいだきつつ、
いざキーを交換してV6からハイブリッドに乗り換えてみたのだが、
なんとこれが乗り換えてすぐに違いが体感出来てしまったのである。

まず最初に気付いたのはエンジン音。
ハイブリッドの方は発進時はモーターを使用するので当然だが、
それを差し引いてもエンジン音はV6よりも圧倒的に静かである。
もっともこれは想定の範囲内。なんせハイブリッドですから(笑)。

ハイブリッド関連で言えば、V6で気になった「Start/Stopシステム」、
つまりアイドリングストップについてもこっちは全然気にならなかった。
ま、しかしこれもある意味当然。だってモーターで発進するわけだから。
電気のオンオフにタイムラグなんてあるわけがないのである。
でも、これについては、個人的には実に好感が持てた。

と、以上の2点については、一応書いてはみたけど、
特筆すべきような違いとは言えない。それは何故か?
本来であれば乗るまでもなくある程度は予測がつくからである。
クルマに詳しい人から見れば「当たり前じゃん!」という部分だろう。
まぁ私の場合は乗ってから「あっ!そうか」と気付いたんだけど(笑)。
フォルクスワーゲン・トゥアレグ(Volkswagen Touareg) ハイブリッド_a0046234_0244360.jpg

さて、ここからが本題。
V6とハイブリッドで大きく違う部分は何か?
それはたぶん操作フィールだと思う。
ハイブリッドの方はV6と比べると色んな部分が「軽い」のである。
アクセルも軽い。ブレーキのタッチも軽い。ステアリングも軽い。
さらには走りも実に軽快。まるでスポーツカーのように軽やかに走る。
街中でも高速道路でも、ボディの大きさや重量を全く感じさせないのだ。

スタートボタンを押してフットブレーキから足を放し、
スルスルと走り始めてすぐに「あれ?アクセルが軽い?」と感じ、
駐車場から街道に出る際に「あれ?ステアリングが軽い?」と感じ、
徐々にアクセルを踏んでいくと「簡単に加速するなぁ」と感心し、
信号で減速する際には「やっぱブレーキのタッチも少し軽い?」と思い、
高速道路では追い越しやレーンチェンジの度に「こりゃ速いわ」と唸る。
ステアリングの手応え、アクセル&ブレーキのタッチ、走行フィールなど、
いかにもSUVらしい「重厚感」を感じさせるV6に対し、
ハイブリッドの方は「軽快感」という言葉がピッタリくる感じなのである。

「同じトゥアレグなのに全然違うなぁ」というのが正直な感想だったが、
同時に「なんでこんなに味付けを変えたんだろう?」という疑問も少し。
というのも、V6とハイブリッドの操作フィールの違いは、
おそらく意図して変えられたものだと思ったからだ。

V6とハイブリッドではエンジン出力が大きく違う。
最高出力:280ps(206kW)/6200rpm
最大トルク:36.7kg-m(360N-m)/2900~4000rpm
のV6モデルに対して、ハイブリッドの方は
最高出力:333ps(245kW)/5500~6500rpm
最大トルク:44.9kg-m(440N-m)/3000~5250rpm
「53ps&8.2kg-mも違えば操作フィールも違って当然だろ?」
と思われる方もいるかもしれないが、
車重はV6の2190kgに対してハイブリッドが2340kg。
ハイブリッドの方が150kgも重たいのである。
パワーウエイトレシオで比較すると、約7.82と約7.03。

さらに言えば、タイヤの外径もほんの少しではあるが違う。
V6モデルが255/55R18(外径約738mm)であるのに対して、
ハイブリッドの方は265/50R19(外径約748mm)。
タイヤの種類によって多少の誤差はあるが、
ハイブリッドの履いているタイヤの方が外径で約1cmくらい大径だし、
当然ながらタイヤ&ホイール1本あたりの重量も重いと考えられる。

あと違うのはトランスミッション。
V6もハイブリッドも共に8ATで基本は同じなのだが、
1速から8速までの変速比が全部違う上に最終減速比も違う。
ファイナルはV6の3.700に対してハイブリッドは3.272である。

パワーについてはハイブリッドが上。
しかし、タイヤの外径&重さ(腰下重量)とファイナルについては
V6の方がパワーを感じやすい設定。ということは、
「パワーの違いが操作フィールに影響している」とは考え難い。

というか、そもそもパワーウエイトレシオの違いだって、
はっきりと体感できるほどの数値差とは思えない。
具体例をひとつ示すと、私は以前ジープ・グランドチェロキーの
5.7リッターV8と6.1リッターV8を乗り比べたことがある。
6.1リッターの方は426ps&58.0kg-m、車重2150kg。
5.7リッターの方は326ps&51.0kg-m、車重2180kg。
車重がほぼ同じで100psも違うにも関らず、両モデルには
今回のトゥアレグのV6とハイブリッドほどの違いは感じられなかった。

と、以上のような理由から、先に書いたように
「V6とハイブリッドの操作フィールの違いは意図した味付け」
という結論に達したわけだ。
フォルクスワーゲン・トゥアレグ(Volkswagen Touareg) ハイブリッド_a0046234_2312438.jpg

ちなみにV6とハイブリッドの違いはまだある。
それは車両からのインフォメーションだ。
ちなみこの場合のインフォメーションは、車両からのお知らせ、
いわゆるメーターパネルなどのインジケーターのことではない。
ドライバーがクルマの挙動から体感として受け取る部分。
ま、これも操作フィールと言えば言えるのだが、その少し先というか…

V6の方はステアリング操作に対してのクルマの動きや
アクセルの踏み加減に対してのエンジンの反応、
タイヤと路面の接地感といった情報がダイレクトに伝わるのだが、
ハイブリッドの方は明らかにコンピューターが介在している感覚がある。
ドライバーの入力に対してタイムラグがあるというわけではないのだが、
アクセルにしろブレーキにしろスロットルにしろ、いかにも電磁式というか、
「賢いコンピューターが最適な動きを提供します」といった感じだろうか?
敏感で俊敏なのはハイブリッドの方。
対して、V6の方にはモッサリ感というか遊びがある。
にも関らず、よりクルマの情報をダイレクトに感じる事ができるのはV6。
一見矛盾したような表現なのだが、個人的な印象としてはそんな感じだ。

あと、最後の違いは4WDシステム。
これは明らかに違う。両モデルともフルタイム4WDではあるのだが、
V6の方に採用されている「4XMOTION」は副変速機付きで、
センターデフロックも備えており、本格的なオフロードも走行可能。
対してハイブリッドの方に搭載される「4MOTION」の方は、
オフロード用というよりは「全天候型」といった感じで、
セダンやステーションワゴンに搭載される4WDシステムに近い。
今回の旅程では雪道や凸凹の激しいオフロードも走ったが、
悪路走破性という点で比較すれば間違いなくV6の方が上だった。

と、今回もまた長くなってしまったので、
V6とハイブリッドの最終的な比較はまた今度(笑)

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by a-power | 2012-02-14 03:23 | 欧州車色々
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