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幼なじみのハチロク(AE86)

クルマ好きの田舎の親友が
なんとハチロクを再購入!

先の帰省の際には面白いクルマを彼方此方で見たのだが、
その中で一番ビックリしたのがこのハチロクである。
と言っても、クルマ自体には何も変わったところはない。
ビックリしたのはクルマではなくオーナー。
このハチロクに乗って俺の実家に遊びに来たのが、
小中学校時代の親友であるKだったからである。
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幼なじみのKは昔から大のクルマ好きだった。
高校卒業と同時に就職したKは、10代後半から20代にかけて
AE92を皮切りに、AE71、AE86などのレビン&トレノ、
S14やX90系チェイサーなど、走り屋系のクルマばかり乗っていた。
1980年代後半から90年代にかけては、Kみたいな若者は大勢いた。
免許を取ってすぐにミニバンを買うヤツなんてまずいなかった。
若いヤツが乗るクルマといえば元気良く走るMT車と決まっていた。

そんなKがローバーのステーションワゴンを買ったのは何時だったか。
確か20代後半。まだ30歳にはなっていなかったと思う。
今回の様に、お盆か何かで田舎に帰省した俺に会いに来てくれたKが、
見慣れたシャコタンの走り屋系のクルマではなく、
何故かどノーマルのステーションワゴンに乗って来たのである。
「あれ?クルマどうしたん?」と聞く俺に対し、確かKは
「もういい歳だから…」とか何とか、そんな風に答えたと思う。
たぶん結婚とか子供とか、色々と事情もあったのだろう。
その後約10年、Kはステップワゴンや軽ワンボックスなど、
実用車ばかり乗り継いでいた。

別にこのKのパターンは珍しくはない。
Kの様に、ある時を境に愛車を変える人間は俺の世代には大勢いた。
事情は人それぞれ微妙に違うと思うのだが、言うことは皆大体同じ。
「そろそろ落ち着かないと…」とか「もういい歳だから」とか。
楠みちはるの『湾岸ミッドナイト』に出てくる台詞そのまんまだ。
彼らの言葉の真意は、他人には分からない。
でも、おそらくは女房や子供の存在が一番の理由だろう。
「もしもの事があったら…」と思うと、危険な走行は出来ないし、
一家の大黒柱としてクルマに必要以上の金もかけられないのだろう。
至極真っ当な『大人の判断』。一人前の男として立派な決断だと思う。

そんなK達とは逆に、俺がクルマにハマり出したのは20代後半から。
仕事の都合もあったのは確かだが、20代後半から現在に至るまで、
カマロやコルベットみたいなクルマばかり乗り継いできた。
さすがに最近はもう諦めたのか、言われることもなくなったが、
30代の頃には、「何時までクルマ道楽してる気だ?」
「お前ももういい歳なんだから、そろそろ落ち着きなさい」
などという小言を、両親や親類からよく言われていた。
落ち着くとか落ち着かないとか、そういうのは別に
クルマとは全く関係ないと思うが、田舎の年寄りから見ると、
いい歳をして派手な2ドアクーペに乗ってる俺みたいなのは、
「落ち着きがない」とか「恥ずかしい」となるのだろう(笑)
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ま、それはともかく、Kの話である。
Kのように一度走り系の趣味のクルマから降りた人間が、
再びそういったクルマを手にするのは、子供が手を離れてから。
年齢で言えば50代半ばから60代くらい。
それがパターンだと思っていた。

俺が専門とするアメ車業界を例にすると、現代の日本で
カマロやマスタングなどの現代版マッスルカーを購入するのは
60歳前後の年代が一番多いという話がある。
『子供が成人して自立するとともに生活に余裕ができた』
『今はまだ元気だが、何時まで健康でいられるか分からない』
『体力の残っている今のうちにやりたいことをやろう』
と、そんな理由でクルマを買いに来る人が多いというのだ。
なんとなく分かる話である。
だからというわけでもないが、Kの様な友人達も、
歳を取ったらまた走りの楽しいクルマに乗りたくなるのでは?
などと漠然と思っていた。

でも、まだ子供が小学生のKは今回クルマを買い替えた。
どうしてハチロクを買ったのか、細かい話は聞いてない。でも、
またしても「あれ?このハチロクどうしたの?」と聞く俺に、
「欲しくなってさ。買っちゃったよ」と笑いながら答えたK。
「よく嫁さんが許してくれたねぇ」
「いやぁ、ぶち反対されたよ」
「そーじゃろうねぇ…でもこのハチロク、えらいキレイじゃね」
「うん、程度がえかったけぇ」
「エンジンは?」
「4AGじゃけど、広島のショップでセッティングしてもろうとる」
「へぇ…、あれ?ロールゲージは入れとらんねぇ」
「さすがに嫁がそれだけは許さんゆーけぇ」
「まぁ、そーじゃろうねぇ(笑)」
etc。
20年振りくらいにKとクルマの話ができたのも嬉しかったし、
その後軽く山に流しに行ったのも、若い頃を思い出して楽しかった。

先に『大人の判断』みたいな事を書いた。
女房子供のために自分を殺して頑張るのは悪いことではない。
俺には子供がいないから分からないけど、
子供が出来ると自分の事よりも大切になるとも聞くし。
でも、頑張るための活力というか、ご褒美というか…、
例えば無理をしてでも欲しいものを買う。
無理矢理時間を作って遊びに行く。
そういうのも決して悪いことじゃないと思う。

人間、我慢我慢、頑張る頑張るだけじゃ、何時か息切れする。
どっかで緊張を解してやらないと、テンションかけるばかりじゃ
プッツンと切れてしまう可能性だってある。
ハチロク、いいじゃないの! 少しくらい金がかかっても、
その分今まで以上に頑張って働けばいいだけだし。
真面目な仕事人間はいいけど、
「俺はお前らのために頑張ってんだ!」なんて
眉間に皺寄せして偉そうにされるより、
ニコニコしてクルマの話をしてくれる父ちゃんの方が、
俺だったら好ましい。

思い立ったら吉日という諺がある。
今できることは今しかできない。
1年後、5年後、10年後、未来は誰にも分からない。
今日元気だからといって、明日元気とは限らない。
もしかしたら、近い将来、日本で乗れる自家用車の大半は
面白くもない実用的なEVばかりになってるかもしれない。
色々と景気の悪い話ばかりが話題になる今だからこそ、
無理してでも好きなクルマに乗るというのはアリだと思う。
と、Kとハチロクを見てたらそんな気がした。



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by a-power | 2011-08-23 03:26 | 津和野
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